京都を中心に活動する、腰で踊らせる若手ファンクバンド、踊る!ディスコ室町の2ndアルバム『新しいNEWネオ室町』のレコ発ツアーファイナルが、渋谷o-nestで開催された。
ファイナルの対バン相手として万を持して呼ばれたのは、日本のファンクバンド代表、FUNKY4ことSCOOBIE DO。
平日ど真ん中水曜日の雨がちな夜ながら、仕事終わりの踊る気満々の人々が集っていた。
ワイン色のスーツに身を包んだ3人が登場し、白スーツのコヤマシュウ(vo.)が吠えると、歓声が上がる。
「hey!everybody!踊る!ディスコ室町に呼ばれてやってきた、結成21周年、SCOOBIE DOです!」
“先輩”でありながら挑戦状を貰えば引き受ける気概がこの挨拶だけでガツンと感じられた。
SCOOBIE DOお得意のマツキタイジロウ(gu.&cho.)のギターのカッティングが心地よいナンバー『PLUS ONE MORE』や『What’s Goin’ On』を初っ端に披露し、「俺達のことをはじめて見た人も適当でいい、歌え!」とコヤマが煽るたびに、観客の声が大きくなり、あっという間にグルーヴィーな空間を創り出していく。
「水曜日にライブハウスに来るやつは命がけだから」と『アウェイ』を初めた。
来るまでにみんなそれぞれ色々闘ってきたんだろ?と。
この曲は彼ら自身がどんなアウェイな現場もホームに変えていくという決意でもあるが、同時に最大の応援歌でもある。
一人一人の目を見て拳を握って歌うコヤマはステージとフロアの壁を取壊し自分の手で直接背中を押し、現実世界に負けるなと言っているようだった。
そしてここからが真骨頂でありマジだった。
「今日はファンクバンドのツアーファイナルってことで、踊るしかないよな?!」とコヤマ。
ナガイケジョー(ba.)のベースが唸る『BUKI』は、アップライトベースを持ってきて演奏されることが多かったがこの日はいつものエレキベースでの演奏。
音がぶっとくなり、唸るベースラインが狭い秘密基地のようなライブハウスに映えて渦巻いていく。
そこへマツキのソリッドなギターが重なれば歓声とともにフロアはダンスホールと化す。
そのまま突入した『散歩男』。
これが、ファンクバンドSCOOBIE DOを見せ付けるような本気具合で、同じくファンクをうたう踊る!ディスコ室町に、ファンクとはこうだ!と手加減なしにぶちかましていた。
あまりこれまでライブで演奏されるところを聴いたことがないこの曲を今回持ってきた熱さを感じて一層熱気が増した。
「俺達はファンクが大好きなんだけど、ファンクをやるバンドってのは最近だと在日ファンクとか、でもマイノリティなんだよな。
そんな中ファンクをやるバンドが出てきてくれて、しかも俺達をファイナルに呼んでくれてさ、嬉しいです。
踊る!ディスコ室町、ありがとう!
もう愛を歌うんじゃなくて愛しちゃうからさ!」
真っ直ぐにディスコ室町へ感謝の気持ちを伝えて、前を向くコヤマは、とはいえまだ燃えているようだった。
すると『悲しみと踊りながら』がこれまた音源やこれまでのライブとは違うファンクバージョンともいうべきアレンジで演奏されたのだった。
メロウに踊れるリズムで鳴らされると歌詞の“踊りたい”気持ちが強調され切なさが増してグッとくるものがあった。
「まだまだ踊れるか渋谷ー!」とここからは“大ヒットナンバー”連発でぶっ飛ばす。
コヤマはもちろん、マツキやナガイケも前に出てダイレクトに強靭なサウンドでオーディエンスを鼓舞していく。
マツキがギターを歯で弾き背中でかき鳴らす姿にも歓声が上がる。
会場のボルテージが“ロックとファンクの最高沸点”に達したところでラストは眩しいくらいにキラキラして温かいナンバー『新しい夜明け』。
「何度でもやろうなー!」と叫ぶコヤマと、大きく手を振る観客で出来上がった景色がこれでもかと輝いていた。
「サンキュー渋谷!SCOOBIE DOでした!」
短い時間で日本語ファンクと言えど一括りにはできない、21年のキャリアも感じさせる様々なカラーのナンバーで魅せたSCOOBIE DO。
その本気具合に、踊る!ディスコ室町のレコ発ながら、彼らが後攻で大丈夫かと少し心配になるほどだった。
会場の観客はほとんどがSCOOBIE DOファンだった。
京都を拠点に普段は若手バンド数組と対バンして活動する踊る!ディスコ室町にとって、東京という地で東京を拠点とする“先輩”SCOOBIE DOと1対1のタイマンでライブをするのは、挑戦状を叩き付けるようなものだったはず。
自身のツアーファイナルながら、そんなことをする踊る!ディスコ室町。熱いぜ。
6人の時代錯誤なくらい派手な出で立ちの男達がステージに登場。
柄シャツ柄ジャケがいればテンガロンハットなウエスタンボーイがいれば毛皮のコートにグラサンのロン毛がいればチャイナ服(パオ)までいてまるで統一感皆無という新しいインパクト。
マイクに向かい「京都府上京区室町420合室…」とミキクワカド(vo.)が前口上を言う間にも、歓声が上がるすっかり温まったフロア。
「お、お、お、踊る!ディスコ室町!」と叫ぶと5人が思いっきり鳴らし、始まりの合図だ。
バッチバチに点滅する照明に照らされ、ミキとモチヅキ・タンバリン・シャンシャン(tamb.)がキレッキレに踊る姿が見え隠れする1曲目は『ミックスアナッツ』。
王道ファンクにギラギラした“NEO”感をプラスし、半ば強引に観る者を惹きこんでいく。
「SCOOBIE DOがこの狭さのところでみれるなんてラッキー!と思って来たでしょう?」と自虐的に笑わせながらも、彼らの音は研ぎ澄まされていた。
クマ山セイタ(gu.)のご機嫌なギターから始まる今回のアルバム『新しいNEWネオ室町』のリードトラック『ODORUYO〜NI』がまたグッとダンサブルな空間を創り出す。
“アイラブの基準はここに問え/踊るように生きれば超最高!”の歌詞通り、踊ったモン勝ちなムードでなんともハッピーだ。
まこまこまこっちゃん(gt.)とクマ山のギターソロが交互に鳴らし合いされ思わず手を挙げてしまう。
ミキがパワフルに歌う横でシャンシャンがドヤ顔で好き勝手に踊る姿も彼らのグルーヴを盛り上げて行く。
「SCOOBIE DOとの出会いは、遡ること中学時代…スペースシャワーTVの、『スペシャ中学』で、アフロが2人いたんだよ。
1人は今レキシの池ちゃんさん。当時はSUPER BUTTER DOGだったんだけど。
でもう1人がSCOOBIE DOのMOBYさん。雑学の人。」と笑いを混じえながら、
学生時代にSCOOBIE DOと出会い、足繁く京都磔磔へライブに通っていたことを話すミキ。
「で色々あって縁あって今回ツアーファイナル、SCOOBIE DOとやることができました!さっきSCOOBIE DO良かったよね〜。凄く嬉しいけど、これは闘いだから」とハッキリと闘争心を口にし、『嘘800』の怪しげでディープなナンバーへ繋ぐ。
シャンシャンの叩くタンバリンに合わせ、クラップするフロア。
ズンズンと揺れていく空気が心地よくにやけてしまう。
バックで小気味よいリズムを刻み続ける、加入してまだ一年もたっていないとは思えないほど息ピッタリのツマリツムラ(ba.)と伊藤おわる(dr.)。
メンバーチェンジを経てまさにNEWネオとなった室町サウンドで、ファイナルであり確かにまたここからスタートし進んでいく勢いが感じられた。
次々とファンキーな曲が披露され、ミキは自由にステージを動いて踊るわ、それ以外のメンバーも個性が光り過ぎだわで最初は呆気に取られていた初見のオーディエンスも、徐々にそのアグレッシブさに笑ってしまって、彼らの気持ち悪い気持ち良さに乗っかって踊らされていたようだった。やった!と思った。
SCOOBIE DOもお得意のこの初見の人もまるっと連れて行き楽しませる力、ディスコ室町も確実に持っている。
クセのあるヤツらなのに、身内ノリには決してならない。
アウェイを変えていくライブだった。
後ろの方までディスコになったところで、ラストは彼らが最初に作った1曲『踊らないベイベ』。
これでもかとひたすらに専らに遊びゴコロが散り混ぜられた彼ら仕様のファンクで締め括る真っ直ぐな姿勢が潔い。
フロアを笑顔にさせて去っていく6人に大きな拍手が贈られた。
アンコールが起こり再び登場した踊る!ディスコ室町。
まこまこまこっちゃんが弾き始めたのは聴き馴染みのあるギターリフ。
その音が鳴った瞬間に沸き起こる歓声。
これは…SCOOBIE DOの楽曲『やっぱ音楽は素晴らしい』だ!
サプライズに湧く会場にSCOOBIE DOの4人がハンドマイクを持って登場。
さらに一体となったライブハウスで、みんなが声を出して歌っていた。
その中で誰よりもキラキラした笑顔をしたミキの姿が印象的だった。
自分たちのツアーながら、挑戦をし、大健闘した、踊る!ディスコ室町。
それをよくやったと称えるようなSCOOBIE DO。
そんな試合後の1杯のような熱くそして爽やかなアンコールセッションで、日本語ファンクと日本語ファンクのぶつかり合いの濃厚対バンライブは幕を閉じたのだった。
終演後、メンバー全員が登場した踊る!ディスコ室町の物販に人が押し寄せている様子がかなり胸アツだった。
バンドワゴンがないのでレンタカー借りて運転してきて、ファイナル終わったのに飲まずに運転して帰ると言っていたが、あの盛り上がりは間違いなくガソリン代以上の収穫になったのではなかろうか(笑)
いいもん見た、という気持ちにさせられた。
また更にパワーアップしていく予感もビシビシ感じられた踊る!ディスコ室町。
次に観るときが既に楽しみである。
SCOOBIE DOセットリスト
1.PLUS ONE MORE
2.What's Goin' On
3.アウェイ
4.BUKI
5.散歩男
6.悲しみと踊りながら
7.真夜中のダンスホール
8.Back On
9.新しい夜明け
踊る!ディスコ室町セットリスト
⒈ミックスナアッツ
⒉ODORUYO~NI
⒊ピザのくち
⒋嘘800
⒌僕らは今夜も騒々しい
⒍HAのキヌぬがせ
⒎FUTARI DANCE
⒏踊らないベイベ
en.やっぱ音楽は素晴らしいfeat.FUNKY4