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2015.3.3 山田エリザベス良子『BUFFET』リリースツアーファイナル@CONPASS

山田エリザベス良子さんの『BUFFET』のリリースを記念して行われた全国ツアーのファイナルが、地元・大阪のCONPASSで開催された。
CONPASSの落ち着いた洒落た空気もあってか、のんびりした雰囲気が漂っていた。



まず登場したのは、東京のスリーピースバンド・パンパンの塔。

優しく透明感のある、しかしどこかつかみきれない歌声と、
とっつきやすいのに予測不可能な曲の展開に、オーディエンスは転がされているような、
不思議で、そして、面白い感覚だった。

"どうも東京から来ましたパンパンの塔です、ありがとう"とポツリポツリと感謝を述べる以外は、ほとんど話すことがなく、
奏でられる曲の数々。しかしむしろその曲が語りかけてくる。

まるで子どもの描く物語だ。
ファンシーで、しかし何かのメタファーのような歌詞を、
アコースティックギター以外にもハープや様々な楽器を使い、
朗読のように歌う、小豆原"まめ"一朗(Vo.&Gt.)。
彼自身も凄く純朴な少年のようなルックスで、世界観を引き立てる。

しかし、彼の描く詩は、明るくポップな世界ではなく、
突然、何か聴き手を恐ろしい気持ちにもさせる強烈なインパクトのあるフレーズを放ったりもするのだ。
また、コーラスや演奏もそれを最大限に協調する。
そのバランスが独特で、もう観終わった後には二度と忘れられなかった。
所謂「バンド」の「ライヴ」を観た感覚とはまた違う感覚で、
あれはどういうことなのだろう、と頭に纏わりついていた。
観る度に印象が変わりそうである。
見事に驚かされた。なんかわからんが凄いぞ・・・!と!!

初めて山田エリザベス良子さんを観たときの衝撃に似ているのかもしれない。
そう考えると、素晴らしい対バンでしかない。

01.UFOと僕
02.さっきおきたばかり
03.木魚の
04.ひとりぼっちのジミー
05.ローレンスさん
06.眠り姫
07.音楽は止まった
08.骨


そんなカウンターをくらってくらっとして気持ちの整理が追いつかない中、登場したのは、オワリカラ。
空気をガラッと変えた。
わかりやすく踊らせる、それだけ、とでもいうように、『踊るロールシャッハ』からスタートした。

"山田エリザベス良子さん、僕もCD聴かせてもらったんですけどね・・・"才女"ですよ・・・!末恐ろしいです。
でなんかこのまったりした空気も、彼女の影響なんでしょうかねぇ・・・"と不愉快げなタカハシヒョウリ(Vo.&Gt.)は
『夜戦ちゃん』でズドンと響く重い音を鳴らし、
『ガイガンガール・ガイガンボーイ』では背中でギターを弾いたり、歯で演奏したりと魅せ付ける。
カメダタク(Key.)も狂ったように握った拳を突き上げる。
その熱く燃えまくっている姿に、観客も乗っかって手を挙げてゆき、いっきにダンサブルなフロアに変えた。
まったりした空気を見事にぶっ壊して、"気持ちいー!!!"と大声で叫ぶカメダタクと一緒に笑うメンバー達に、大きな拍手。

観ている側にさえ伝わる程の大きな手ごたえを感じたタカハシは
"終わったと思ったでしょ?"と笑いを誘って、
最後に新曲『new music from big pink』を披露した。
これはまた突き抜けるような印象のギターロックではなく、また違う一面を見たような。
でも全く違うわけでなく、「優しすぎる歌は優しい歌じゃない」という歌詞が印象的な、
オワリカラらしいロックンロールナンバーであった。
これから新しく出される曲にも期待せずにはいられない!

01.踊るロールシャッハ
02.swing
03.ちぎってはなげる
04.sign sign sign sign
05.夜戦ちゃん
06.ガイガンガール・ガイガンボーイ
07.new music from big pink


そして彼女自身大好きと豪語するディズニーのBGM(マレフィセント?)が鳴り響き、
もはや森の中のような異世界の雰囲気に仕上がったところで、
バンドメンバーに続いて、この日の主役・山田エリザベス良子が真っ赤なワンピースを着て登場。
そう、いつもは弾き語りの彼女、今ツアーでは、『ドッペルゲンガー』のアレンジも担当した空きっ腹に酒の西田竜大を中心とした
バンド仕様のライブを披露しているのだ。
正直彼女の魅力はギター一本でするからこその迫力が大きいと思っていた私であったが、それは違ったと思わされる。
演奏をバンドに任せられた分、彼女の表現力が増していたのだ。
感情をむき出しにして、歌、体一つでライブハウスに存在感をアピールする姿は、カリスマであった。
そしてバンドも、当然なのかもしれないが、彼女のファンタジーな歌を引き立てる要素に徹していて、
しかし、キーボード、エレキギター、ベース、ドラムと様々な音が加わって、
弾き語りのライブより聴きやすく、そしてまた違うポップなものとなっていた。
山田エリザベス良子自身も"天才!"と西田を褒めちぎっていたがうんうんと頷いてしまうくらいであった。

心臓に響くような大きな声で伸び伸びと、時に曲に合わせて跳ねるように、そして時にハッとさせられるくらい繊細に歌うかと思えば、
"このツアーで、色んなところ行かせてもらったんやけど、仙台とか、めっちゃ田舎やんか。ほんだらスーパースター扱いしてくれんねん!私みたいなもんを!来てくれはった!みたいな感じで。
で東京とか大阪とかはまた「おかえりー」みたいな感じで温かくて、ほんまに嬉しい!"
"西田くんね、こういう白シャツとか着てやってたら凄い良い青年に見えるけど、一回ね、空きっ腹に酒のライブを観にいってん。
そしたら、もうこんな、開けるだけ脚開いて、ギターももうこんな頭の上に持ち上げて弾いたりしてて、めっちゃ怖かった!
いつもの優しい西田くんじゃない!!って"
と、言っていいのかギリギリのラインで(笑)本当に面白い一人の関西の女の子として話す姿を見せる。
これもバンドメンバーがいるからこそ、よりリラックスして話せているように見えて、彼女の素が見えて楽しかった。

『少女ロマンス』『EAT ME』が凄く温かく、優しく広がって、素敵だった。

本編終了、バンドメンバーがはけても鳴り止まない拍手に、
ザベス嬢、最早はけることもなく"アンコールありがとう"とアンコール開始する姿に観客も驚きながら笑う。
完全に彼女のペースが心地よくなっていた。
タカハシヒョウリを呼び込んだところ、タカハシから山田エリザベス良子に何やらプレゼントが渡される。
それは。。。勝新太郎の本(笑)
しかし山田エリザベス良子、勝新太郎知らない事件勃発し、わちゃわちゃするという結局ザベスのペース(笑)
そして披露された曲は、山田エリザベス良子達ての希望でオワリカラの『Q&A』。
これがもんのすごく最高だった。
元々彼らのデュエット曲なんじゃないかとさえ思うくらい、個性的なこの2人の男女にぴったりで、
よりロマンチックなラブソングに仕上がっていたのだ。
いやもう本当にメロメロになってしまった。

Wアンコールでは弾き語りスタイルでも披露。
ひたむきさに、胸が締め付けられるようで、泣きそうになるほどに、突き刺さる。
キュートでリアルな歌詞のひとつひとつが目の前まで転がってくる。
やっぱりまた弾き語りのライブも観たいな、となりました。

(↓曖昧ですすみません)
01.woldorf
02.パンやガムを買っておけば良かった
03.イカレウサギ
04.Ordinary Days
05.ドッペルゲンガー
06.少女ロマンス
07.EAT ME
<アンコール>
08.Q&A(w/タカハシヒョウリ(オワリカラ))
<Wアンコール>
09.新曲



3組(人)が個性をぶつけあった凄く良いライブだった。
そしてこれから先を観ていきたいという気持ちになった。
シンプルに、そう思った。

by yonayonagirl | 2015-03-05 00:56 | 音楽


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