2016.10.5 踊る!ディスコ室町vsSCOOBIE DO@渋谷 TSUTAYA O-nest【素晴らしいGREATブラボーTOUR FINAL】

京都を中心に活動する、腰で踊らせる若手ファンクバンド、踊る!ディスコ室町の2ndアルバム『新しいNEWネオ室町』のレコ発ツアーファイナルが、渋谷o-nestで開催された。
ファイナルの対バン相手として万を持して呼ばれたのは、日本のファンクバンド代表、FUNKY4ことSCOOBIE DO。
平日ど真ん中水曜日の雨がちな夜ながら、仕事終わりの踊る気満々の人々が集っていた。



ワイン色のスーツに身を包んだ3人が登場し、白スーツのコヤマシュウ(vo.)が吠えると、歓声が上がる。

「hey!everybody!踊る!ディスコ室町に呼ばれてやってきた、結成21周年、SCOOBIE DOです!」
“先輩”でありながら挑戦状を貰えば引き受ける気概がこの挨拶だけでガツンと感じられた。

SCOOBIE DOお得意のマツキタイジロウ(gu.&cho.)のギターのカッティングが心地よいナンバー『PLUS ONE MORE』や『What’s Goin’ On』を初っ端に披露し、「俺達のことをはじめて見た人も適当でいい、歌え!」とコヤマが煽るたびに、観客の声が大きくなり、あっという間にグルーヴィーな空間を創り出していく。

「水曜日にライブハウスに来るやつは命がけだから」と『アウェイ』を初めた。
来るまでにみんなそれぞれ色々闘ってきたんだろ?と。
この曲は彼ら自身がどんなアウェイな現場もホームに変えていくという決意でもあるが、同時に最大の応援歌でもある。
一人一人の目を見て拳を握って歌うコヤマはステージとフロアの壁を取壊し自分の手で直接背中を押し、現実世界に負けるなと言っているようだった。

そしてここからが真骨頂でありマジだった。
「今日はファンクバンドのツアーファイナルってことで、踊るしかないよな?!」とコヤマ。
ナガイケジョー(ba.)のベースが唸る『BUKI』は、アップライトベースを持ってきて演奏されることが多かったがこの日はいつものエレキベースでの演奏。
音がぶっとくなり、唸るベースラインが狭い秘密基地のようなライブハウスに映えて渦巻いていく。
そこへマツキのソリッドなギターが重なれば歓声とともにフロアはダンスホールと化す。

そのまま突入した『散歩男』。
これが、ファンクバンドSCOOBIE DOを見せ付けるような本気具合で、同じくファンクをうたう踊る!ディスコ室町に、ファンクとはこうだ!と手加減なしにぶちかましていた。
あまりこれまでライブで演奏されるところを聴いたことがないこの曲を今回持ってきた熱さを感じて一層熱気が増した。

「俺達はファンクが大好きなんだけど、ファンクをやるバンドってのは最近だと在日ファンクとか、でもマイノリティなんだよな。
そんな中ファンクをやるバンドが出てきてくれて、しかも俺達をファイナルに呼んでくれてさ、嬉しいです。
踊る!ディスコ室町、ありがとう!
もう愛を歌うんじゃなくて愛しちゃうからさ!」

真っ直ぐにディスコ室町へ感謝の気持ちを伝えて、前を向くコヤマは、とはいえまだ燃えているようだった。

すると『悲しみと踊りながら』がこれまた音源やこれまでのライブとは違うファンクバージョンともいうべきアレンジで演奏されたのだった。
メロウに踊れるリズムで鳴らされると歌詞の“踊りたい”気持ちが強調され切なさが増してグッとくるものがあった。

「まだまだ踊れるか渋谷ー!」とここからは“大ヒットナンバー”連発でぶっ飛ばす。
コヤマはもちろん、マツキやナガイケも前に出てダイレクトに強靭なサウンドでオーディエンスを鼓舞していく。
マツキがギターを歯で弾き背中でかき鳴らす姿にも歓声が上がる。
会場のボルテージが“ロックとファンクの最高沸点”に達したところでラストは眩しいくらいにキラキラして温かいナンバー『新しい夜明け』。
「何度でもやろうなー!」と叫ぶコヤマと、大きく手を振る観客で出来上がった景色がこれでもかと輝いていた。
「サンキュー渋谷!SCOOBIE DOでした!」

短い時間で日本語ファンクと言えど一括りにはできない、21年のキャリアも感じさせる様々なカラーのナンバーで魅せたSCOOBIE DO。
その本気具合に、踊る!ディスコ室町のレコ発ながら、彼らが後攻で大丈夫かと少し心配になるほどだった。

会場の観客はほとんどがSCOOBIE DOファンだった。
京都を拠点に普段は若手バンド数組と対バンして活動する踊る!ディスコ室町にとって、東京という地で東京を拠点とする“先輩”SCOOBIE DOと1対1のタイマンでライブをするのは、挑戦状を叩き付けるようなものだったはず。
自身のツアーファイナルながら、そんなことをする踊る!ディスコ室町。熱いぜ。


6人の時代錯誤なくらい派手な出で立ちの男達がステージに登場。
柄シャツ柄ジャケがいればテンガロンハットなウエスタンボーイがいれば毛皮のコートにグラサンのロン毛がいればチャイナ服(パオ)までいてまるで統一感皆無という新しいインパクト。

マイクに向かい「京都府上京区室町420合室…」とミキクワカド(vo.)が前口上を言う間にも、歓声が上がるすっかり温まったフロア。
「お、お、お、踊る!ディスコ室町!」と叫ぶと5人が思いっきり鳴らし、始まりの合図だ。

バッチバチに点滅する照明に照らされ、ミキとモチヅキ・タンバリン・シャンシャン(tamb.)がキレッキレに踊る姿が見え隠れする1曲目は『ミックスアナッツ』。
王道ファンクにギラギラした“NEO”感をプラスし、半ば強引に観る者を惹きこんでいく。

「SCOOBIE DOがこの狭さのところでみれるなんてラッキー!と思って来たでしょう?」と自虐的に笑わせながらも、彼らの音は研ぎ澄まされていた。

クマ山セイタ(gu.)のご機嫌なギターから始まる今回のアルバム『新しいNEWネオ室町』のリードトラック『ODORUYO〜NI』がまたグッとダンサブルな空間を創り出す。
“アイラブの基準はここに問え/踊るように生きれば超最高!”の歌詞通り、踊ったモン勝ちなムードでなんともハッピーだ。
まこまこまこっちゃん(gt.)とクマ山のギターソロが交互に鳴らし合いされ思わず手を挙げてしまう。
ミキがパワフルに歌う横でシャンシャンがドヤ顔で好き勝手に踊る姿も彼らのグルーヴを盛り上げて行く。

「SCOOBIE DOとの出会いは、遡ること中学時代…スペースシャワーTVの、『スペシャ中学』で、アフロが2人いたんだよ。
1人は今レキシの池ちゃんさん。当時はSUPER BUTTER DOGだったんだけど。
でもう1人がSCOOBIE DOのMOBYさん。雑学の人。」と笑いを混じえながら、
学生時代にSCOOBIE DOと出会い、足繁く京都磔磔へライブに通っていたことを話すミキ。
「で色々あって縁あって今回ツアーファイナル、SCOOBIE DOとやることができました!さっきSCOOBIE DO良かったよね〜。凄く嬉しいけど、これは闘いだから」とハッキリと闘争心を口にし、『嘘800』の怪しげでディープなナンバーへ繋ぐ。
シャンシャンの叩くタンバリンに合わせ、クラップするフロア。
ズンズンと揺れていく空気が心地よくにやけてしまう。

バックで小気味よいリズムを刻み続ける、加入してまだ一年もたっていないとは思えないほど息ピッタリのツマリツムラ(ba.)と伊藤おわる(dr.)。
メンバーチェンジを経てまさにNEWネオとなった室町サウンドで、ファイナルであり確かにまたここからスタートし進んでいく勢いが感じられた。

次々とファンキーな曲が披露され、ミキは自由にステージを動いて踊るわ、それ以外のメンバーも個性が光り過ぎだわで最初は呆気に取られていた初見のオーディエンスも、徐々にそのアグレッシブさに笑ってしまって、彼らの気持ち悪い気持ち良さに乗っかって踊らされていたようだった。やった!と思った。

SCOOBIE DOもお得意のこの初見の人もまるっと連れて行き楽しませる力、ディスコ室町も確実に持っている。
クセのあるヤツらなのに、身内ノリには決してならない。
アウェイを変えていくライブだった。

後ろの方までディスコになったところで、ラストは彼らが最初に作った1曲『踊らないベイベ』。
これでもかとひたすらに専らに遊びゴコロが散り混ぜられた彼ら仕様のファンクで締め括る真っ直ぐな姿勢が潔い。
フロアを笑顔にさせて去っていく6人に大きな拍手が贈られた。

アンコールが起こり再び登場した踊る!ディスコ室町。
まこまこまこっちゃんが弾き始めたのは聴き馴染みのあるギターリフ。
その音が鳴った瞬間に沸き起こる歓声。
これは…SCOOBIE DOの楽曲『やっぱ音楽は素晴らしい』だ!
サプライズに湧く会場にSCOOBIE DOの4人がハンドマイクを持って登場。
さらに一体となったライブハウスで、みんなが声を出して歌っていた。
その中で誰よりもキラキラした笑顔をしたミキの姿が印象的だった。

自分たちのツアーながら、挑戦をし、大健闘した、踊る!ディスコ室町。
それをよくやったと称えるようなSCOOBIE DO。
そんな試合後の1杯のような熱くそして爽やかなアンコールセッションで、日本語ファンクと日本語ファンクのぶつかり合いの濃厚対バンライブは幕を閉じたのだった。


終演後、メンバー全員が登場した踊る!ディスコ室町の物販に人が押し寄せている様子がかなり胸アツだった。

バンドワゴンがないのでレンタカー借りて運転してきて、ファイナル終わったのに飲まずに運転して帰ると言っていたが、あの盛り上がりは間違いなくガソリン代以上の収穫になったのではなかろうか(笑)
いいもん見た、という気持ちにさせられた。

また更にパワーアップしていく予感もビシビシ感じられた踊る!ディスコ室町。
次に観るときが既に楽しみである。





SCOOBIE DOセットリスト

1.PLUS ONE MORE
2.What's Goin' On
3.アウェイ
4.BUKI
5.散歩男
6.悲しみと踊りながら
7.真夜中のダンスホール
8.Back On
9.新しい夜明け


踊る!ディスコ室町セットリスト

⒈ミックスナアッツ
⒉ODORUYO~NI
⒊ピザのくち
⒋嘘800
⒌僕らは今夜も騒々しい
⒍HAのキヌぬがせ
⒎FUTARI DANCE
⒏踊らないベイベ
en.やっぱ音楽は素晴らしいfeat.FUNKY4
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# by yonayonagirl | 2016-10-15 23:56

2016.07.15 never young beach [fam fam]tour@梅田AKASO

never young beachの2ndアルバム『fam fam』の発売を記念すべく若者が多く集った梅田AKASOで、
SEもなくふらりと先に現れたのはキセル。
静かに打ち込みの優しい音が鳴らされ、丁寧なギターが重なる。
やわらかい豪文(gt.&vo.)の歌声がすぅっと耳に澄んで入ってきた。
始まりは『ベガ』だった。
少し冷房が効きすぎていた淡白なライブハウスが、明かりが灯ったように暖かくなった。
彼らのその魔法のような演奏を、真剣に見つめる若者たちの姿が印象的だった。
”キセルです。今日は僕らのことを初めて観る人もいると思うけど、兄弟でやってて、あっちが弟。友晴。で俺が兄貴。
・・・大丈夫?(僕らが出てきて)えっ?とかなってない?こんなにいっぱいのAKASOは始めてみたよ。のまれないように頑張ります”
今度は友晴(ba.&vo.)がマイクを握り、大島弓子さんの同名の作品をもとにつくられたという『サマタイム』を歌った。
物語の中に入り込んでしまったようだった。
田舎の小さな山の初夏を進んでいく様子が描かれていて、楽しくて暖かくて、でもちょっと決意のようなものもあって、never young beachと似た空気を感じ取った。時折サポートドラムの北山ゆう子(lake)と目を合わせたり、ほほえみながら強弱をはっきりつけて演奏する姿は本当に心地よさそうだった。
そしてここでの『サマーサン』が秀逸だった。それまでの暖かい安心感を何の前触れもなく良い意味で裏切り、不穏で怪しいリズムと音に急に連れ込まれたのだった。やられたー!もう観客はキセルに興味津々だった。
”never young beachさんとは一回会ってね、それで僕らみたいなものを呼んでいただいて、ありがとうございます”と先輩ながら丁寧なあいさつに笑いが起きる。
”はっぴいえんどのカバーをしたのをきいてくれてたみたいで。ということでカバーを。はっぴいえんど全然関係ないんだけど、”
と披露したのは高田渡の『鮪に鰯』のカバー。
穏やかながらメッセージ性の強いこの曲をチョイスしたのは、ネバヤンやそのファンである若い世代に聴かせたかったのかもしれない。
ちょっと早いけど、と『ナツヤスミ』を季節感たっぷりに鳴らしてオーディエンスを揺らした。それからラストの『ギンヤンマ』があまりに美しく、またそのはかなさゆえに物悲しく、まばゆくきらめいているのに、届きそうで掴めない、やけに現実味のある夢のよう。青く照らされた光の中で泣きそうになってしまった。
”ありがとうございました”そう言ってキセルなりの夏を奏でて去った三人に、アウェイだったはずのフロアからまっすぐに感動を伝える大きな拍手が贈られた。

心地よい余韻が漂う中、本人たちがセッティングし、デベンドラが流れたらnever young beachのステージの始まりだ。
『なんもない日』でもうすぐさま、待ってました!と言いたくなるネバヤンサウンドに包まれる。
鈴木健人(Dr.)のドラムが小気味よく鳴れば『Motel』が演奏され歓声とともに思い思いに踊りだす観客を見て、安部勇磨(Gt.&vo.)も満面の笑みで声を上げ踊る。自然に起きた手拍子もグルーヴを高めていく。さらに阿南智史(gt.)のギターソロも楽しさに拍車をかけるのだった。
すっかりできあがったフロア。『ちょっと待ってよ』の少し気の抜けたイントロでも声が上がり踊りまくる。これが彼らのライブの面白いところであり、非常にその踊りだしたくなる気持ちはわかる。だって、能動的に楽しんでいこうって思わせられるんだもの。阿部もあーグッと抱いてよ!と声を荒げたり、ふぉー!と叫んだり”いい感じだね!”と興奮気味だ。
最近髪を切ったがメンバーに前の方が良かったと言われ少ししょんぼりする安部。”昨日スズケンと前のりしたんだけどさ、今日みんなにあえてめっちゃ嬉しいもん!”と言い、昨夜の鈴木とのお風呂エピソードを嬉しそうに聞いてよこいつさーと話す姿は一歩間違うと怪しいが(笑)それすらもいつものことだという感じでサラリと返答する松島晧(Gt.)に、バンドメンバーという前に友達同士、という関係性が現れていて部屋で話しているようで微笑ましい。
これまで終盤に演奏されることが多かった安部、阿南、松島3人のギターのアンサンブルが最高潮にきらきらするナンバー『どうでもいいけど』を早々に披露し、松島、阿南がそれぞれオーディエンスの方に向かい、パンパンのAKASOに力強くギターを響かせる。
”最初マネージャーがAKASOでやるって言ったとき、びっくりしちゃったよ。だって700とか、そんなに俺らで入るのって。でもみんなが来たおかげでソールドアウトだよ!ありがとう!そんなにみんな俺らのことすきだったのかぁ”とへらへら笑う安部に好き!という歓声があがる。”ソールドってことは観れなかった人もいるからね、また大阪でやるから来てね”と言って沸かせた。
”もう雨やんだ?まだふってた?”と問いかけ、やんだ!と元気な声が返ってくると”やんじゃったかー”と苦笑いで始めたのは『雨が降れば』。上手く曲につなげるMCができなかったのには笑ったが、梅雨のけだるさも夏の前の寂しさもはらんだこの曲は今回のアルバムでもいいアクセントになっていて、のびやかに歌う安部の低音がなんだか壮大でもっと大きな会場で聴きたくなった。
続いて”雨が止んだら夏が来た!”と『夏がそうさせた』をやりきり、
”キセルが出てくれてさ、ありがたいよ。一曲目にやった『ベガ』って曲が、俺生まれて史上一番くらいに好きな曲で、最初はっぴいえんどからキセルを知って、聴いたときうおお!なんだこれは!ってなった”とキセルへの熱い思いを述べた。
『自転車に乗って』『Pink Jungle House』『fam fam』とフロアのボルテージが最もあがったところで阿南が曲の入りのギターを間違えてやり直すハプニングもありブーイングに包まれたが、やっぱり『あまり行かない喫茶店で』は代表曲で、嬉しそうに飛び跳ねたり手を上げるファンたちが可愛い。
そして今回のアルバムのメインチューンと言ってもいいだろう、『明るい未来』。音源もPVもとてつもない名作なのでぜひまだの人は観て聴いてほしいのだが、ライブで聴くのが一番好きだ。非常にふわふわしっぱなしの安部が、真剣にこのストレートなラブソングを歌う姿は輝かしく、そして特別を望まず日常の当たり前を愛する幸せに、胸を打たれてたまらなくなるのだ。
ラストはイントロからときめきが溢れだす『お別れの歌』。さよならの歌なのに明るく、「いつかまた会えたら 聴いてはくれないか 陽気な歌でも歌うから 愛していたよ」という歌詞が安部らしくてグッと来てしまうんだ。メンバーもみんな最後を惜しみ出し切るような力いっぱいの演奏になるところもよりエモーショナルさを掻き立てる。大歓声があがった。
アンコールでは”2枚しかアルバムだしてないから曲が本当にないからWアンコールされてもこないだマツコが出てきて出来ません!つって終わったの(笑)これから3枚、4枚、5枚、、10枚。10枚出したら一年に1枚としても10年後、35歳だよ!・・・時の流れだねー”と笑う安部。いつまでもどんな時代が来ても、ネバヤンの音楽を聴いていたい。必要なはずだ。やり続けて欲しいよ。と今回披露した新曲も聴きながら思ったのだった。
ネバヤンのおかげで蒸し暑い午後も、かんかん照りの日差しも、なんだか好きになれた。
ただの能天気なお気楽やろうではなく、自ら本気で楽しさを見つけていくことが、生きるコツだと教えてくれる彼らの歌。
同い年の私は一緒に人生を進めていけることをとてつもなく幸福に思います。私も頑張ろうっと。



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# by yonayonagirl | 2016-07-17 00:53 | 音楽

2016.03.26 IMAIKE GO NOW 2016

「いい音楽」、「いい街」、「ヘンな人」と出逢ってほしい!と名古屋・今池から昨年2015年に立ち上げたにサーキットイベント・IMAIKE GO NOWが、3/26(土)に第2回目を開催した。
今回は全10か所のライブハウスが会場となり、ラインナップもインディー界を中心として音楽を盛り上げている真っ最中の熱いアーティストが勢ぞろい。最高のぽかぽか天気で、良いサーキットイベント日和となった。

●髭
イベントの幕開けとなる昼過ぎ、ぞろぞろと観客が集まり、IMAIKE GO NOWがいよいよ始まるというワクワクとしたムード漂うBOTTOM LINEにふわりと登場した髭。
ギターをかき鳴らし『ロックンロールと五人の囚人』が始まると揺れる会場と誰よりも飛び跳ねて手をあげて踊る須藤寿(vo.)。
"今夜は僕たちを選んでくれてありがとう!まだ昼!!"と須藤(vo.)が自分でツッコむ姿に笑いが起きたが、まさにいい天気の春先のお昼だということを忘れてしまうような、良い意味で怪しく、のらりくらりとしたセットリストのライブに、ライブハウスは秘密基地のような素敵な魅力を持つのだった。
"IMAIKE GO NOW。ほんとに素敵なバンドがたくさん出てて、いいよね。今日はずっとここで観てるだけでも楽しいんじゃないかな、・・・ちょっと今の毒にも聞こえるかな?"とニヤリと笑う須藤。
所謂髭のライブでは定番の盛り上げソングだった『テキーラ!テキーラ!』は演奏せず、徐々に夢の中のような浮遊感をどんどん増してゆき、サイケデリックでカオティックな、髭ならではのクセになる空気をどんどん濃くしていく。
そんな雰囲気の中では、これまで以上に歌詞が際立って届くのだ。歌声が、頭の中でぐるぐると繰り返されるような、『闇をひとつまみ』からの『ing』がたまらなく気持ち良く、そして胸を打つ。「今は今を生きよう 今は今を信じよう」そんなメッセージが、このイベントにもぴったりで、1発目から「目が覚めないような」余韻をずどーんと残していった。

●Keishi Tanaka
洒落たライブハウスTOKUZOにギターを持って登場したのは、Keishi Tanaka。
入場規制の会場に、チューニングも完了し、"もう準備万端なんだけど、時間が早いから、適当にやってるんで、みんなも適当に楽しんで下さい"とkeishiが爽やかに笑うと、ホーンセクションやキーボードも従えたこの日は、なんともゴージャスに華やかなサウンドが響き渡る。サウンドチェックから思わず手拍子してしまうオーディエンス。そのまま”田中啓史です。どっからが本番かわかんないね"と気持ち良く歌い始める。『Wonderful Seasons』などステージで踊りながら歌う彼。パッと花を咲かせるような、明るくてあったかいぽかぽかした楽曲と、伸びやかで心地よい歌声は、前身バンド・Riddim Saunter時代から変わらない彼の魅力で、ソロになってそれにプラスされたダンサブルで少し「ジャズっぽい」自由な曲の幅と、日本語詞が、よりポップで真っ直ぐに観客を包み込むようになったと感じた。開始2曲でぴょんっとフロアに飛び降りてオーディエンスに囲まれながら一緒になって踊り、歌い、自ら楽しもうとするその意欲やパフォーマンスは、バンドを経験した彼だからこその場面だった。
兎に角足並み軽くるんるんしてしまうんだけども、決して洒落たシンガーソングライターというだけでなく、時間めいっぱいまで沢山の曲を聴かせてインパクトを残すという物凄いやる気、強い強い気持ちが伝わってきて、終盤に披露した『Floatin' Groove』ではさらにキラキラした多幸感が存分に巻き散らかされ、じんわりときてしまった。どうやら彼が春を連れてきたようだった。最高だった。

●never young beach
春が来たと思えば、いち早くトロピカルなムードを鳴らしているのはnever young beachだった。
1曲目からゆるく"いぇ~い!"と届ける安部勇磨(vo.&gu.)だが、音は決してゆるくなく、この日はさらにバンドサウンドが強かったような気がした。最初はぼんやりとしていても、少しずつとろけていくフロアと、楽しくってたまらないといった様子でときたまほくそ笑みながら歌う安部。観ていてこちらも笑ってしまう。
ステージドリンクとして持ってきたホットレモンを"喉にいいんだよ"とご機嫌に紹介し、鈴木健人(Dr.)とGパンを出番直前に交換したことを話し、"それいいねっつって。仲良いっしょ"と本当に嬉しそうな顔をする。その後も最近機材車が広くなったせいで、メンバーとの距離が離れてちょっと淋しいと話したり、水を回し飲みしたり、曲の途中でメンバー同士近づきすぎてコードが絡まってあわや大惨事の勢いでこけそうになったり(笑)安部は本当に大好きな仲間とやれる今がとっても楽しくって仕方がないと言う。その日常の当たり前をネバヤンはぬくもりとして音楽にのせて届けてくれるのだ。最後に披露した新曲『明るい未来』は「夏」「まったり」したネバヤンからは一味違った目映く愛溢れるストレートに気持ちを歌った1曲で、ライブで歌われるとグッと心を掴まれてしまう。どこまでもあったかいステージをやりきって"ばいばい"と去って行った。

●SCOOBIE DO
サウンドチェックで『RIDE ON TIME』をファンキーにのびやかに演奏してすっかりあったまった会場に、登場SEが流れて改めてスーツで登場しキめた今回の出演者ではもうベテランのSCOOBIE DO。
こういう場では、彼らの初見の人を持っていくんだぜっていうパワーがもう漲って滴り落ちてる。しかもこの日の彼らは韓国でのライブ帰りということでなおさらその気概が研ぎ澄まされていた。
ディスコ・チューン『アウェイ』でご機嫌にそしてソウルフルに1曲目から彼らのグルーヴに乗せ、『LIVE CHAMP』でロックンロールに身を沈めて20年以上やってきたその生きざまをどうだ、楽しいだろ?と言わんばかりに見せ付けて会場を引きこんでゆく。”君も君の1番好きなやり方で楽しんでくれ”とコヤマシュウ(Vo.)が語り、会場からは興奮の大きな拍手。そしてナガイケジョー(Ba.)がアップライトベースを手に始めたのは『BUKI』『笑う女』。唸るベースにソリッドなリフが重なりなまめかしく前衛的な1曲でまた違う一面を見せ、汗びっしょりだ。文字通り一番熱かったのではないだろうか!
クライマックスでは『トラウマティック・ガール』で"誰が一番高い!?""ここまで来い!"と飛び跳ねるオーディエンスを煽り自らも飛び跳ねるコヤマにフロアの熱量もより一層拍車をかけ、ラスト『また会いましょう』まで絶対に集まった人を自分たちのスタイルで喜ばせるという確信をもってやりきった4人だった。さすがだ。

●Creepy Nuts
地下の少し危険な雰囲気のライブハウス・3STAR IMAIKEを入場規制にしていたのは、MCバトル日本一のラッパー「R-指定」とターンテーブリストであり、トラックメイカーとして活躍する「DJ 松永」によるヒップホップユニット・Creepy Nuts。
男性が多く詰め寄せる感じがまた他の会場とは一味違い、「サグい」感じですっげぇドキドキした。
そして2人が登場するとそのムードはさらに高まると共に、彼らはいわゆるワルではなく、物凄く平和的な気持ちを持っていることが伝わるステージを繰り広げる。ヌルいと言っているわけではない。全くヌルくなんてないのだが、彼らは「ラッパー」「DJ」でありながら、イケていない奴の負の想いをそのままぶちかますことで、すっと観客に寄り添い、一緒に戦ってくれる、そんな優しさを持ち合わせている。
皮肉にまみれた『みんなちがって、みんないい。』で下らない現実との狭間で自分を守り、"みんな周りにこいつ使えへんなーって奴おるやろ?俺もそうやって言われたし、みんなの中にも自分つかえへんなーって人?おるな、おるよな、でもそういう奴ら、にくめへんやん。俺の周りもそんなやつばっかりやけどやっぱそうやねん。それでもいいやん"と『使えない奴ら』を披露した。これが愛に溢れていて泣きそうになってしまった(個人的にも同い年ということもあり物凄いキました。。)。24歳にして社会から離れてMCバトルで戦って負けてそして復活して勝ってきたR-指定と様々な有名アーティストのバックでやってきた童貞DJ松永の根暗ながら自らの手で自らが認められる居場所を作ってきた強さが、優しく温かいメロディに乗って響くのだった。
終盤はR-指定がフロアの観客から5つほどお題をもらい、即興でそれらを取り入れたフリースタイルを披露し盛り上げた。『合法的トビ方ノススメ 』ではフロア後方までみんなジャンプ!ジャンプ!"これが合法的なトビ方だ!気持ちいいことしよう!"と会場を一体とさせ楽しくして去って行った。既に集まったものの期待を越えていくほど巧いが、まだまだこれから色んなバンドとの対バンやステージを経験して、進化していきそうな気配ビンビンのステージをやりきった。これからまた見る機会が楽しみで仕方がない!


IMAIKE GO NOWは、それぞれに「今」観なければいけない、そんな理由とこだわりが感じられるメンツの熱いイベントだった。本当にメンツが良い。これは毎年そのときどきでどんどんこだわって欲しい!笑
今池という町は、美味しいものもあり、春先の温かい気候にぴったりで、観ていて「今」行け!と、勇気を与えられたのだった。
第3回の開催を早くも待ち望んでしまうよ。

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# by yonayonagirl | 2016-04-03 23:37 | 音楽

2016.2.13 SCOOBIE DO×never young beach”young bloods vol.1"@下北沢SHELTER

SCOOBIE DOが若手バンドを迎えてガチンコ2マンをするという新企画「young bloods」の第一回目が、下北沢SHELTERで始まった。
第一回目の対バン相手は、日常をハッピーに演出する、トロピカルな空気感漂う平均年齢24歳の5人組・never young beach。
ファンクとロックが代名詞のSCOOBIE DOとnever young beachのジャンルレスな公演のチケットはSOLD OUT。

期待感いっぱいの中、夕方の海岸が似合うようなまったりとしたSEが流れ、先手・never young beachが登場した。
真夏の気怠さ全開の『夏がそうさせた』を1曲目に演奏した。若者バンドでこんな曲を1曲目に演奏するバンドが他にいるだろうか。
まるで昭和歌謡のようなメロディに、カッティングのきいた今どきのダンサブルなギターとリバーブのきいた古い洋楽のようなギターと、だるそうで低い歌声・・・すべてが不思議にマッチし、波のようにゆらゆらと揺れてしまう。
阿南智史(Gt.)の繰り返す気の抜けるようなギターリフが響く、浜辺で踊るようなトロピカルな1曲『ちょっと待ってよ』、そして同じく阿南のギターフレーズが印象的な『MOTEL』へと徐々に彼らの音楽は加速していく。手を叩きたくなるリズムが重なりもうただただとけるように心地よく、ハッピーでたまらない。
"よろしく~~never young beachです~"と安部勇磨(Vo.&gt.)が挨拶し、"よろしく~~youngだから俺たちは。youngな方だから。"とニコニコと笑う。
この気の抜けたMCさえも、彼の紛れもない魅力であり、徐々にハマっていく人が続出する。笑
"カラオケに入ってる曲やります。シンガソング!"と両手をあげおどけ、温かい歌詞と気持ちの良いサウンドの『あまりいかない喫茶店で』を鳴らし、"今ね、半分セットリスト終わったんだけどね、20分しか経ってないの。早くね?(笑)・・・水ちょーだい"と何故か松島皓(Gt.)のお茶を俺も俺もと全員で回し飲みし、カフェオレ持参の巽啓伍(Ba.)の姿にツッコむ。チューニングする、と松島が言ったので、"誰か話して"と安部が言うと鈴木健人(Dr.)が"俺SCOOBIE DOが超好きで、だから、今日凄い嬉しいです"と唐突に発言し、変な空気になって笑いが起きるなど、まるで放課後の教室のような会話がおかしい。
そして披露した新曲『明るい未来』はこれまでのネバヤンの楽曲とはまた違う、ストレートで熱いラブソングで、まさにタイトル通りの輝きを放つ。曲調もこれまで以上にポップで、それがまた、美しくって、泣けた。
高田渡のカバー『自転車に乗って』も元々never young beachのものであるかのように、ものにして演奏される。安部が"最後にいい話します"と話したのは、"うちの犬がさ、人が来たらビックリしてうんちしちゃうんだけど・・・こないだ友達が初めて家に来たときに吐いちゃって、超嫌われてんじゃん(笑)誰かが近くに来たってだけでゲロロロってなるって相当じゃない!?でもうそいつもさ、なんかごめんって帰っちゃって。でもね、病院連れてったら、俺の手作りご飯のせいだったの(笑)"というもう、どうしようもない話で、その間抜け話に会場は笑いに包まれた。何が良い話なんだ(笑)
『どうでもいいけど』で安部は髪を振り乱しギターを弾き、松島と屈託のない笑顔を見せ合いながらハーモニーを奏でる。本当に楽しそうだ。阿南と3人のギターのアンサンブルがどんどん高鳴っていくラストのキラキラにたまらなく胸がいっぱいになる。
それに次ぐ『お別れの唄』。切なくも真摯で照れくさくなるような甘酸っぱさがあり、「いつかまた会えたら 聴いてはくれないか 陽気な歌でも歌うから 愛していたよ」と彼らが歌うこのラストの1曲が大好きだ。何も気張らなくて良いんだ、つまらないことはどうだっていいんだ。楽しいなって思えるんだ、笑えるんだ。
"ありがとう、never young beachでした。バイバイ"
バカで最高、それがネバヤンであり、でも本気でやりたい音楽をやってる芯の強さもしっかり伝える、彼ららしいライブをやりきった。

続いて登場したScoobie Doは1曲目にNEWアルバムのタイトルチューン『アウェイ』を演奏し、ミラーボールをきらめかせ、一気にフロアをディスコに変える。
そして『Get Up』。never young beach安部が、前に対談をしたときにめっちゃ良いこと歌ってる!と話していた1曲だ。
"最高だぜ下北ー!never young beachどうだった?あいつらも最高だったな。全部の音がブリブリしてるだろ?ネバヤンの安部くんがさ、前に対談したときに言ってていいこと言うなって思ったのがさ、安部くんってね、どうやって今の音楽に行きついたかって、きいたら、最初はミッシェルガンエレファントから入ったんだって。信じられないだろ?wそれから、フェラ・クティとかにハマったって言ってて、でも今の音楽とはまた違うじゃんって言ったら、「そう、そのマインドだけ受け継いだんすよ、でやり方は自分でやりたいようにやる」って言ってて、すげーかっこいいなって思って。俺、あいつらの音楽きいてるとさ、俺の好きだった昔のレコード聴いてるような気持ちになって、ワクワクするんだよ。アイツらの見た目は全くワクワクしないけどw最後とか何の話してんだよって感じだったしね(笑)楽屋ではもう、低俗な奴らですよ"と笑いながらも、"でもnever young beachはね、「シティポップ」とかそういうくくりじゃなく、never young beachとして、良い音楽だなって思って、誘ったんだ"とコヤマシュウ(Vo.)はnever young beachへの思いをしっかりと語った。
"NEWアルバムから、ソウルナンバー聞いてくれ!"と鳴らしたのは『Its a new day』。ネバヤンが常夏のビーチなら、この1曲は早朝の爽やかな街の気持ちよさだ。そのまま、『Na Na Na Na Na』とこれまた新しいアルバムからのスカナンバーで、キャッチ―なメロディと歌詞に、オーディエンスもライブ初披露とは思えない程の盛り上がり。歌いながら各々でリズムを刻んで踊る!この新曲でも変わらない盛り上がりっぷりはスクービーのステージならではだ。
そして最後のブロックでは、"youngなbloodsが燃えてるやつはイェーって聞かせてくれ!"とコール&レスポンスし、"ネバヤンが夏を連れてきたー!"と『太陽と女の子』を始めた。コヤマは前に出て観客と手を叩きながら、一層フロアを沸かせる。コヤマが「レンタカーで 海へ行こう 君を乗せ 水玉シャツでさ」とこの日着ていたシャツを指差し歌詞を変えながら、ノリノリで歌えば、もうすっかりライブハウスは本当に夏が来たような熱さだ。
それから『Oh yeah』でオーディエンスと交互に歌ってきらめいたグルーヴを作り出し、ラストは、サンバのリズムに、春のような軽やかさとギターのロックが見事に融合した『また会いましょう』を披露。ネバヤンから引き継いだHAPPYなステージをやりきった。 

アンコールで出てきた4人は最後に『新しい夜明け』を力いっぱい鳴らした。"ネバヤンが袖でめちゃめちゃこんななって踊ってます"と陽気な仕草を真似るコヤマは嬉しそうだ。そして「SCOOBIE DO大好き」発言していた鈴木は舞台袖どころかもうみんなに見える位置でSCOOBIE DOのステージをガン見していた。ネバヤン、なんて可愛らしい後輩で、なんて微笑ましいんだ。鈴木にいたっては途中から笑ってしまうくらい、同じパートのオカモト”MOBY”タクヤ(Dr.)しか見ていなかった。そもそもnever young beachを推したのはMOBY。なんともほっこりするシーンだった。
そうして"なんどでもやろうなー!!"とコヤマが拳を突き上げ、記念すべき第一回目の、young bloodsが終了した。

音楽性も世代も全く違えど、自分たちの音楽を真っ直ぐに信じて、バカになって目の前の人達が踊る空間を作り上げる、という点で2組は共通するに違いない。そう感じさせてくれるnever young beachとSCOOBIE DOの信念が詰まった第一夜だった。

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# by yonayonagirl | 2016-02-15 23:09 | 音楽

2016.1.23 銀杏BOYZ×KING BROTHERS となりのバンドマンツアー2016@大阪BIG CAT

満員のBIG CAT。
新たな出会いを提供すべく、行われる『となりのバンドマン』。
今夜の戦いは、銀杏BOYZ VS KING BROTHERS。
チケットは即SOLD OUT。期待感抜群のこの対バンに、ドキドキしながら行ってきた。

箪笥の奥底から引っ張り出してきたって感じのヨレヨレの10年以上前の銀杏BOYZTシャツを着てきたようなファンが、峯田の復活を、不安げに、でも心待ちに、見守る。
そんなファンと同じくらいの数の、二十歳くらいの、恐らく銀杏BOYZの伝説的な素晴らしい楽曲にどこかで出会って虜になった若者たちは、銀杏BOYZを峯田を生で観れる!といったウキウキした表情で、集っていた。
そして、1~2割くらいの、KING BROTHERSファンは、冷静に、かつ、『銀杏BOYZ』という大きな敵と戦うこのアウェイな状況に緊張しドキドキしている様子。
それぞれの思いが交錯する中、銀杏BOYZのステージが始まった。

"大阪の皆さん・・・大阪の皆さん・・・帰ってきました"
登場すると大歓声。そんな中フォークギターを提げて、ピンスポットを浴びて、開口一番、峯田はこう言った。
もがきまくって聴かせる1曲『生きたい』を演奏し、クソみたいなことも凄まじいエネルギーで明るく笑い飛ばすようないわゆる『銀杏BOYZ』のイメージを覆す。

そしてバンドセットで『まだ見ぬ明日に Dragon Days』『DON'T TRUST OVER THIRTY』とGOING STEADY時代の楽曲で、熱を持って押し合いへし合い沸くフロア。鼻水を垂らしながら、がむしゃらに歌い、盛り上がるオーディエンスを見渡す峯田。

そして再びフォークギターで『光』『新訳 銀河鉄道の夜』を弾き語り。観客も大合唱。
"KING BROTHERSと初めて対バンしたのは、15年前。それからメンバー変わったりとか、あったんですけど、でも、こうしてやってたら、やるって言ったら、こんなにたくさん、観に来て下さるみなさんがいて、ホントに有難いことだなって、思います"
と峯田はKING BROTHERSとやることへの思いと、驚くくらい素直に、感謝の気持ちを口にした。

そこからの『べろちゅー』は温かく、愛おしく、世の中への無情さ、自分へのやるせなさ、歌詞の全てに峯田の思いの乗った声がぎゅっと凝縮されて届けられていたようだった。
そのまま『BABY BABY』で再び手をあげ大合唱する観客。
そして曲の雰囲気は打ち込みで全く色が違うが、同じように女の子のことだけを思って単純にまっすぐに歌うキャッチ―な一曲『ぽあだむ』で恋に呆ける男を魅せる。とっても良かった。
峯田和伸という男の、変わらない部分と変わった部分が見えるこの流れも、観ている者のなんとも言えない胸の熱さを掻き立てるのだった。

鼻水よだれを垂らしながらフォークギターで歌う峯田。
とはいえ全体的に聴かせるセットリストで、暴れることもなく、落ち着いたんだなといった印象を与えた。
バンドセットでの演奏は素晴らしく安定していて、それが余計に、危うく鈍かった銀杏BOYZの生々しい音はあの3人にしか出せないのだなと感じさせた。
GOING STEADY、銀杏BOYZはとてつもないエネルギーと破壊力で、光を力づくで掴み、一つの時代をかき乱し、彼らをきっかけに多くの若者が音楽を好きになるような、心を掴んで離さないバンドだった。高校生の軽音楽部では沢山コピーバンドがいて、カラオケで皆で盛り上がれるような、「売れた」バンドだと思う。
それが2012年、2013年とメンバーが脱退し、一人になった峯田は、元々あった儚さやもろさのようなものが強調され、過去の銀杏BOYZの栄光と闘っているように見えてしまう。ステージ上でも無茶苦茶していた峯田は今回本当に素直にまっすぐに、毒を吐くこともなく、「キレイ」だった。
良いも悪いもないのだが、「あの頃」の銀杏BOYZとは別物のような感じだ。
今回のイベントを、銀杏BOYZの復活ライブと捉えて待ち望んできた者にとっては、打ちのめされたようなものだったかもしれない。
とはいえ峯田は峯田で、名曲は名曲で、しっかりと、大勢の集まった観客を盛り上げたのは事実だった。
銀杏BOYZのステージが終わった後、フロアに、それぞれの観客の、ポジティブなものやネガティブなもの、戸惑い、何とも言えない感情がぐるぐると渦巻いていたのを肌に感じた。


ここから次、KING BROTHERSはどんなステージをするのだろう・・・!
銀杏BOYZ、峯田とキャリアは変わらない。しかしその歩んできた道はまた違った。長くやってきたが、一般的に、誰もが聞いたことがあるような、「売れた」ことは無いバンドだと思う。それでもメンバーの脱退や入れ替えを何度も繰り返しながらも、ライブハウスで、一度見たものにトラウマになるくらい攻撃的なステージを見せ付けてきた。
銀杏BOYZのステージが終わり、サッと観客がいなくなった会場で、チューニングをしている3人を見ながら、ドキドキしていた。

SEが鳴り、登場したゾニー(Dr.)、ケイゾウ(Gt.&Vo.)。
そして会場真ん中左側のドアから、マーヤ(Gt.&Scream)がマイクスタンドごとゴムボートに乗って人の上を流れて登場!
途中でバランスが崩れ全部人の上に落下しつつもいつの間にやらステージへオン!
ステージ片隅にあった大きめのしゃもじと籠に積まれたミカンで、千本ノックを始めてもう汁飛び散るしもう!(笑)
それまでの空気やアウェイなんて関係ない!ってこの感じがもう初っ端から笑ったしたまらなかった。

2曲目『マッハクラブ』でマーヤは再びダイブし、会場真ん中で人の上に立って”峯田ぁ!ごちゃごちゃうっさいんじゃ!!!やるんやろぉー!?!?!!!”と叫んだ。"ニ・シ・ノ・ミ・ヤー!!!"そして自ら身体をはって、人の上を転がって、叫んで、全部を、全部を、巻き込んでいく。

ケイゾウが"今日ここで始まるロックンロール!俺とあんたの・・・俺らのロックンロール!さぁ始めよう!祝福のファンファーレ!マーヤのギター!踊りまくろう!"と煽り、『kill your idol』『XXXXX』でキレッキレのギターを聞かせるケイゾウとステップ踏みながらギターをかき鳴らすマーヤ。ゾニーも"声ちっさいなぁー!!!"と煽る。ゾニーが煽ってるの初めて見て、ニヤっとしてしまった。
キンブラ、すげー楽しんでるやんけ・・・!!

終盤、機材を全部フロアにおろし、ラストに演奏した『ルル』。
ゾニーがシンバルを一発目に叩いた瞬間から、最強だった。フロアで思いっきりやる3人を取り囲んで、拳を突き上げ目を見開いてパワーに溢れ、思いっきり叫ぶオーディエンス。
マーヤは再び人の上で、"レコードみたいにまずは俺を回せ!この溝が気持ちいいねん。溝こすらんでええけどな!ロックンロールはこすらんとちゃんと1曲きけ!3分間くらい最初っから最後まで聴け!ロックンロールのレコードスクラッチしてる奴おったら殴ったれ!・・・俺が言ったって言うなよ!"と笑わせながらゾニーやケイゾウを中心にぐるぐると転がる。"おい!一人の奴が運ぶな!受け渡せ!そうそう!これこれ。この溝の凸凹が気持ちええねん・・・!"とか言いながら(笑)
そして、オーディエンスに支えられながら真っ直ぐに立ち、"好きなことやってたらなぁ、こうやって支えてくれる人が出てくんねん!!"と言う。
ケイゾウもギターが鳴らなくなったけれど、"15年、本当にロックンロールしてる奴は辞めへん!辞めるのはダメな奴だけや"と熱いメッセージを峯田に届けていた。
そうして最高のステージを駆け抜けていったKING BROTHERS。

アンコールでは、マーヤが"銀杏BOYZ好きですか!?!?俺も好きです!!"と言って、銀杏BOYZのナンバー『あいどんわなだい』をフロアでケイゾウとゾニーと観客と熱唱!!
そしたら峯田が飛び出てきて、KING BROTHERSのいる輪の中心に向かってダイブし、ケイゾウの髪を掴んだりしたもんだから、押しがえげつなくなったのでもう私含めてフロアのキンブラの周り勢は楽器とメンバーの演奏を守るのに必死!!!一回堤防耐え切れなくなってマーヤゾニーもろともに倒れて曲止んだりするくらいw私もドラムに手が乗っかってしまった。
危なかったけれど、大人しかった峯田がいつまでたっても無茶苦茶で攻撃的なKING BROTHERSに感化されて暴れだしたのを見たのはなんだかとっても最高なシーンだった。これでいいんだよって感じた。グッと来たし、あんなに峯田もKING BROTHERSも観客も全員が一緒になって叫び歌った『あいどんわなだい』はもともと良い曲だけど本当に良い曲だった。
あの一曲に今回のイベントが全部集約されていた。


15年前に初めて対バンしたときから、銀杏BOYZとKING BROTHERSはそれぞれ本当に別々の、でも決して平たんではないあぜ道を歩んできた。そして傷だらけになって、再会し、再び決闘したこのイベント。戦友、そんな言葉が似合う、アンコールのあの瞬間に、ロックンロールがあった。
あのアンコールを受けて、恐らく出番順も逆なのではと思うと、ファイナル・名古屋ではどうなるのだろう。月曜日に、なんちゅうイベントするんや。と笑けるほどだが、観に行く価値はあるだろうなあ~。観に行きたいな~。くそー!(笑)


<銀杏BOYZセットリスト>
01.生きたい
02.まだ見ぬ明日に Dragon Days
03.DON'T TRUST OVER THIRTY
04.光
05.新訳 銀河鉄道の夜
06.べろちゅー
07.BABY BABY
08.ぽあだむ
09.愛してるってゆってよね

<KING BROTHERSセットリスト>
(わかったら教えてください必死過ぎて覚えてませんすみません。笑)

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# by yonayonagirl | 2016-01-24 17:04 | 音楽